この糸電話は非通知設定

詩や雑感を記したり、好きなものを紹介します。

  出 口

 

 くだらない詩を書いて 満足してた日々は

    青い風を浴びて 進む僕らの前から

     いとも簡単に サヨナラしていったんだ 

 

 死にそうなほどもがいて 悲壮に見舞われた日々は

   あっけらかんとした 君の顔の前に 

      いとも簡単に 消え去っていったんだ

 

     さぁ これから始まる

     破れたキャンバスの向こうに覗いた

     太陽の光と海の向こうに

     待っているはずの 清らかなもの

 

 

 くたくたになって 床で寝た夜は

  朝のシャワーで 梳いて流して

  さっぱりとして 振り返ることもない

 

 生きるほどに苦しくて 息継ぐ暇もないまま

    よどんだ空気に 慣れ切った日常は

   君の皮膚を固めて ザラザラにした

  

     さぁ 砕けよ この薄っぺらい生き方を

     さぁ 吹けよ 台風のように

     心に絡まった釣り糸を 解いて振り払い

     深呼吸するんだ 澄んだ空気で

過ぎ去りし雲

あの日 今日を呼ばず

あの雲 夜を越えず

この恋 アイを知らず

人目につかないこの街の片隅

肩を寄せて二人うつむいた

私のソラ あなたの海 二人の恋

私の雲 あなたの明日 たゆたう街中で

只 沈まぬ太陽 願った

自分

軽い自分としっかりした自分

軽い自分はハッピー

しっかりした自分はハッピー?

しっかりした自分は自立してる

軽い自分は自立してる?

軽くてしっかりしてる

そんな自分はあるのかな?

ハッピーだけじゃダメなのかな?

自立してるだけじゃダメなのかな?

 

 

黒の彩

夜更け ふと目が覚めてみれば 

冷たい雫が 頬を伝っていた

がらりとドアを開けて 夜風を招き入れれば

昨夜の残り香が 裏の窓から抜けていった

これで自由になったの?

私はそのように心に呟いて 星の去るのを

見送っていた

ねずみ色の天井に

一つ割れ目がありまして

さっと吹き込む新風に

目の奥がぐっと 爽やかになって

見果てぬ夢を リアルに見たみたいな

 

水平線まで暗い 紺碧の世界に 

矢のように光が 差し込んだみたいな

要するに 世界を見るってのは そういう事のようで