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詩や雑感を記したり、好きなものを紹介します。

列車

二十年かけて乗った鈍行は、とんでもない僻地に辿り着いた。そこには何もなく、褪せた荒野が広がっていた。 私は何処にきてしまったのだろうと思った。 連れ合いはおらず、両親の姿も見当たらない。独りだ。 私は、こんな何も無い土地は捨てて戻ろうと思った…

魚も泳げないような浅さで 君は死んだ

人でなしのためのブルース

どうしてあの時 君の肩を抱いて 冷たい廊下 一緒に部屋まで 歩いてやれなかった どうしてあの時 君の居ない事を知って 涙の一つも 流してやれなかった あんなに好きと 言ったのに いざと言う時 僕は逃げた あんなに笑ってくれたのに いざと言う時 僕は知らず…

俺ってやつ

夢を見て上の空石につまずき派手に転んで起き上がれず誰か手を取ってくれと思ったときもあった 自分だけは捨てられずなり振りも構わず不細工に立ち上がれば実に多くの助けを得て今がある事に気が付いた 悪い事をしてきたばかりじゃないさでも神さんの天秤に…

歌について

あいみょん聞いて、俺も歌書こうって思ってギターとスマホで歌作ったんだけど、全然書けなかった。やっぱりもう無いんだね。ほとばしる、しかし青い血潮が。これが無いと走り切れない。二十歳頃の頃は言葉がボロボロと溢れてたし、新しいコードもバンバン作…

さよならムーン

ブラウィンドウをくるっと閉じて そっと告げたよ さよならムーン こんな風になりたい あんな風になりたい そんなことを思ってた自分に バイバイ いつも夢見てた 黒い夜空に光る月のようにと でも今日からさよならムーン あれはすごいな これもすごいな そん…

黒塗りの路面を 紫の雨が反射して 信号が変わったのに アクセルをしばらく踏めなかった夜 白い幻想に 風の抜ける乾いた音が 鼓動となって 今まではあり得なかった世界を現象する 誰の夢でもないさ 暗い街を彩るネオン 誰の糧でもないさ 直走る血と汗は

青の轍 一つ歩いて空を見る 藍の隙間の茜雲 風吹かば 星は流れて 肺を満たした 凍った大気が 約束したのを 覚えているか 何時と限らぬ 何処とも限らぬ 今ここで 逢おうと言ったのに 君の影見ぬ 藍の深きに

出 口 くだらない詩を書いて 満足してた日々は 青い風を浴びて 進む僕らの前から いとも簡単に サヨナラしていったんだ 死にそうなほどもがいて 悲壮に見舞われた日々は あっけらかんとした 君の顔の前に いとも簡単に 消え去っていったんだ さぁ これから始…

ネルマエニスコシ

どんな夢を見るかな 夢の中では元気にしてるかな 朝 嫌じゃなく起きれるかな それで 元気に出かけられるかな

過ぎ去りし雲

あの日 今日を呼ばず あの雲 夜を越えず この恋 アイを知らず 人目につかないこの街の片隅 肩を寄せて二人うつむいた 私のソラ あなたの海 二人の恋 私の雲 あなたの明日 たゆたう街中で 只 沈まぬ太陽 願った

自分

軽い自分としっかりした自分 軽い自分はハッピー しっかりした自分はハッピー? しっかりした自分は自立してる 軽い自分は自立してる? 軽くてしっかりしてる そんな自分はあるのかな? ハッピーだけじゃダメなのかな? 自立してるだけじゃダメなのかな?

黒の彩

夜更け ふと目が覚めてみれば 冷たい雫が 頬を伝っていた がらりとドアを開けて 夜風を招き入れれば 昨夜の残り香が 裏の窓から抜けていった これで自由になったの? 私はそのように心に呟いて 星の去るのを 見送っていた

ねずみ色の天井に 一つ割れ目がありまして さっと吹き込む新風に 目の奥がぐっと 爽やかになって 見果てぬ夢を リアルに見たみたいな 水平線まで暗い 紺碧の世界に 矢のように光が 差し込んだみたいな 要するに 世界を見るってのは そういう事のようで

回転するってこと

秒針のずっと先には すげぇスピードで周る天体なんかがあったりして だから中心に近い俺なんかは きっとすげぇ密度の時間を生きてたりするんだぜ それでも 毎日食う寝る出すの三拍子 蜂の様に働いても お星様はどこ?なんて呟いても 日常ってやつは 日常って…

雪舞う空に 便りを書いて それが止む頃に 返事を受け取る

気ままに向かい風

それでも君は 壁のない部屋で 青い瞳を輝かせて 白い風が通り越すのを 耳を澄まして聴いていた 僕は一人で旅に出て 緑と茶色の人生を ちょっと 塗り替えたくて サワーライト 君の手のひら 青い夜空に さよならしたんだ

自分に似て 不器用な笑顔で 隙っ歯から漏れるその声は ニシシ・・・と言った風で お世辞にもかわいいとは言えないのだけれど 粉吹く雑踏の囃し 走ることも諦めた僕の 靴音を訪ねて 影のように慕ってくれる君